はやくそばに行きたくて
柄にもなく少し無理をしたのは、


月明かりがキレイな夜は君がオレを呼んでる気がしたから



5.ケガの功名




はたけさんとの事があってから、早くも3日がたった。
あれから少しも顔を見なかったけど、避けられていた前とは違う。
彼が帰ってくるのを待っている自分がいて、それが許される今は毎日が以前より心地よく感じた。



あの日、今までの彼との距離が急に近づいた気がして、やっと少しは信じてもらえるようになったんだとほっとしたのも束の間、
彼は拍子抜けするほどあっさりと、任務で居なくなってしまった。

次の日には、火影様のところに行ってやっぱり1人で暮す件はもう少し待って欲しいと伝えた。
前日差し迫った雰囲気で、やってきたかと思ったら今度は安心したような笑顔でそれを取り消して欲しいと言ったに、
火影は少しばかり驚いていたが、のその表情にほっとしたのも事実であった。


やっとカカシのやつも、の本質を理解したようじゃのォ。

それまで、に直接会うことはなかったがカカシからの報告でが多少なりとも無理していることは簡単にわかった。
見知らぬ世界で、1人。誰一人として自分を知るものはいない。
そんな中不安に思わないわけがない。
心細くならないわけがないのだ。

しかし、一番近くで接しているカカシと当の本人が気づいていないようなら自分にもどうしようもないと思っていたのだ。
カカシ自身に戸惑っているようでもあった。

この2人はうまくいけば、いいコンビになるかもしれないと思っていた。
お互いにお互いが足りない部分を持ち合わせている。だから、支えあえれば、と。
特に、人間としての大切な部分を押し殺してきたカカシにとって
のような、自分に正直な存在はきっと貴重だろう。


これからの2人が楽しみだ、と火影は心の中で思っていた。




「早く家に帰りたいなー。」
任務から2日たった。

今回の任務はある情報の収集。
あらかじめ、必要な情報を持っている人物のツラと位置は判っていたので、見つけるのは簡単だった。
1日目と2日目の大半を行動パターンの把握にあてた。
ターゲットは、自分の持っている情報が狙われているなど微塵も思っていないのか、さほど警戒もしていないようだった。

あとは、念のためもう1日様子をうかがった後ターゲットに接触し、幻術をかけ情報を引き出すという作戦だ。
今日実行してもよさそうだったが、今夜は月が出ている。
月が出ている時は、辺りが明るい分自分の姿を隠しづらい。
それくらいの条件などカカシにしたらたいしたこともなかったが、任務は慎重にかつ確実に行うに限る。
今回の任務は1人だ。
失敗は許されない。

そーいえば、こないだの夜もこんな月がキレイな夜だったっけ。
サン泣いてないといいけど・・・・
それとも、逆かな。
まーた1人で抱え込んでたりして。


なんだかそう思ったら、のんびりしている暇はない気がしてきた。
自分ならこの条件でも任務を遂行する自信はある。

・・・でも、たかが女1人のために?
どうしてこんなにオレは焦ってるんだろう。

少し悩んだが、どうしてもに会いたい気持ちが抑えられなくなり
カカシは多少の無茶は承知でその場からターゲットのもとへと向かった。








その日はいつものように、一通りの家事をしてその後も本を読んだり買い物にいったりして
のんびりと過ごしていたは、いつものように食事を作り一人でご飯を済ませた。
お風呂もすませ、そろそろ寝ようかと思っていたその時だ。


バタっという音がかすかに聞こえてきた。

「えっ何?今の音…どうしようはたけさんいないのに…」
はほうきを持って、おそるおそる音がした玄関の方へ向かった。


!!!
「はたけさん!!」
驚く事に玄関にはカカシが倒れていた。


「はたけさん、どうしたんですか?!大丈夫ですか?」
がかけよるとカカシはなんとか身体を持ち上げた。


「イテテ…サンただーいま」


「ただいまじゃないですよ!はたけさん、ケガしてるんですか…?」
カカシの身体をよく見ると、ところどころ血がにじんでいた。


「ちょーっとだけヘマしちゃってね。でも、大したことないからダイジョーブ。」


「でも…倒れてたじゃないですか。」


「急いで帰って来たから、動けないのはただのチャクラ切れ。」

それでも、は心配そうにカカシを見つめている。


サン、手当て手伝ってもらえる?」
よいしょ…と辛そうに立ち上がるはたけさんを見て、私はようやく我にかえった。


「肩、かします!」


「ありがと」


私とはたけさんじゃかなり体格さがあるからあんまり役にたってなさそうだけど・・・
いないよりはましよね。


汚れるからいいよ。って言おうと思ったけど・・・
なんでだろ、この子に触れるとすごく安心する。

なんとか、リビングに着いたところでカカシは腰にあるポーチから手当てに必要なものを取り出し、上に着ている服や額あてなどを脱いだ。


「あ・・・」
上を脱いだカカシの身体は昔負ったであろう傷の痕が所々にあった。


「ん?あぁ、こいつら?古傷だからもうとっくに治ってるし痛くもなんともなーいよ。それよりお湯とタオル持ってきてもらえる?」


「はい。」

戻ってきたは、カカシの指示に従いながら手当てを手伝った。
本当にケガ自体大したことはなかったのだが、途中からはぽろぽろと勝手に流れる涙を止められずにいた。


「ありがと、助かったよ。」


「・・・はい。」


「心配かけて、ごめーんね」
はたけさんが優しい声で、頭をぽんぽんとするからよけい涙が止まらなかった。


「うぅーすみません。すぐ止めます。」


「いーよ。無理しなくて。ってゆーか泣かしたのオレだし」


「びっくりしました。はたけさん、倒れてるし。よくみたらケガしてるし。」


責めるように涙目で上目遣いをされたカカシは、黙っているつもりだったが正直に話すしかないと覚悟した。



「う。…あのさ、任務の時にね月がすごくキレイな夜があってね。」


「それがどうかしたんですか?」





が泣いてる気がしたんだ。」




そしたら居てもたってもいられなくなってねー。慌てて任務終わらせて帰ってきちゃった。
なんて悪びれもなくはたけさんが言うからうっかり、それは大変ですねって頷きそうになっちゃったじゃない!
「そ、そんな!だからって無茶したらダメですよ!!…それに私平気です。」


「どうして?」


「だって、はたけさんは私の事少しは信じてくれたんでしょう?あの手紙、この家で待っててもいいよって言われたみたいで・・・
 だからちゃんとはたけさんのこと待ってました、私。」
にっこりと笑って答えたの顔には、あの日泣いていた時のような不安の影など一切ない晴れ晴れとしたものだった。


さっきまで泣いてたくせに。
・・・ヤバいこの子のこの顔・・・くせになりそ。

はぁ〜、とカカシは心の中でため息をついた。
この子の事が気になってたら隙が出来てケガした上にチャクラ切れだなんて、ホントオレどーしちゃったんだろ。


そんなカカシの様子をは具合が悪いのと勘違いしたのか
「はたけさん?傷痛むんですか?」

・・・ホント無邪気というか単純というか。


「ダイジョーブよ。でもチャクラが切れちゃってもうほとんど動けないから、今日はもう寝よーかな。」
カカシは言うことを聞かない身体をなんとか動かし、に手伝ってもらいながらやっとの思いで自分の部屋のベッドの上にたどり着いた。


「ありがと、サン。」


「いえ。何か他に私に出来る事があれば言って下さいね。」


「はーい。あ、そうだ。明日はこんな身体だから任務も待機も入ってないんだ。だからさ、どっか出かけよーか。」


「え…?ダメですよ!はたけさんは寝てないと。」


「んー1日寝てればだいたい動けるようになるし。傷もホントに大したことないから。」


「で…でも」


サン、必要な時くらいにしか外出歩いたことないでしょ?こんな事でもないと次、いつ休みになるかわかんないから。」

ね?と誘われればとしては心が揺れてしまった。
今までよくないと思って、ほとんど出歩かなかったけど・・・
本当は木の葉の里がどんななのか気になってたのよね。
はたけさんがそう言うならいっかな。

「わかりました。でも、ケガ人なんですから無理しないで下さいね!」


「りょーかい。じゃあ、明日昼すぎくらいに出かけよーか。」


「わかりました、ではおやすみなさい。」


「おやすみー」
お大事に、と言っては静かに扉を閉めて出ていった。


その日の夜はあんまり眠れなかった。
突然はたけさんがケガして帰ってきたからびっくりしてるのもあるけど・・・
なんだか、前と違うはたけさんの雰囲気にどぎまぎする。
さっきも、名前呼び捨てだったし。本人は気づいてなさそうだったけど・・・
あぁ!!もう明日は出かけるんだから、はやく寝ないと。




「んーもう…朝?」
結局寝つけたのは朝方に近かった気もする。
まだまだ寝たりなかったが、する事もある。
それになによりはカカシの様子が気にかかっていた。


ケガ・・・大丈夫かな?
そっと部屋を覗いて悪いと思いつつもは中に足を踏み入れた。

カカシはまだ寝ているようだった。
寝ている姿を初めてみたは、早く出ないとと思ってはいたが中々足がその場から動かずにいた。

いけない、こんなの失礼だよね。
でも・・・はたけさんの寝顔って起きてるときと違って・・・なんだかすごくかっこいいかも///
って、アタシってばなに考えてんの!!


その後、カカシを起こさないように掃除、洗濯を手際よくすませた。
そろそろお昼だし・・・一息つこうかな。


カチャ。という音と共にリビングのドアが開きまだ半分寝ているカカシが入ってきた。


「おはよ〜」


「おはようございます。ケガは大丈夫ですか?」


「ぜーんぜん、へーきよ。元々大したことないしね。」


「ならよかったです。あ、何か飲みます?」


「んーコーヒーもらおうかな。」

「はい、今準備しますね。」
立ち上がり、はパタパタとキッチンの方に向かっていった。

少し考えてから、それを追いかけるようにカカシもキッチンに向かった。

「はたけさん?あの、コーヒー出来たら持って行きますよ・・・?」

「あの・・・さ、」

はたけさんは、頭をポリポリかきながら言った。
なんだか、すごく 言いづらそうだけど・・・なんだろ?

「どうしたんですか?」




「朝ごはん・・・・作ってくれないかな?」



!!!!
うそ。だって・・・今まで全然食べてくれなかったのに。
やっとアタシの事信じてもらえて、これから少しずつって思ってたのに。

いきなりなんてずるいです・・・
やっぱりこの前からはたけさん違いすぎですよ。


「あのーサン?」
やっぱダメ・・?首をかしげながらそう言うはたけさんは、男の人なのになんだかすっごくかわいかった。


「あ!いいですよ。すぐ作りますから、待っててください!」


「はーいよろしくー。」
そう言ってはたけさんは洗面所のほうに向かっていった。


あぁどうしよー!!!
・・・すっごく嬉しいかも。
ふふふ、と笑いながら朝食をつくるの姿はそれはそれは、うきうきしたものだった。



一通り身支度を終えて戻ってきたカカシは、食事の場所としても使っているリビングのテーブルの前に座っていた。

「お待たせしました。お口に合うかわかりませんけど・・・どうぞ。」
恐る恐るというかんじで、はテーブルに食事を並べた。


「私自分の部屋にいますので食べ終わったら呼んでください。後片付けしにきます。」
じゃあ、と言って立ち上がろうとしたの腕をカカシはとっさに掴んだ。


サン行っちゃうの?なんで?」


「え、だってはたけさん私が居たらご飯食べる時、顔見えちゃうじゃないです・・・か。ってええええぇぇええ!!!!」

はたけさんの顔が・・・・
ご対面しちゃったー!!!(汗


「なーに、今さら?オレ昨日の夜からこのまんまなんだけど。
 っていうか、この前サンが泣いてた時も額あても口布もとってたし。」


「うそ・・・だって全然・・・・」
気がつかなかった、と最後の方はほとんど聞こえないくらいの声でいうは本気で気づいてなかったらしい。

「くくくく・・・っあはははは。」

ダメだ、もうこの子もしかしてと思ったけど・・・
天然だ!(どーん)

なーんか、こんな子の事疑ってた自分がバカらしいねぇー


「そ、そんなに笑わなくったっていいじゃないですか!」
カカシが本気で腹を抱えて笑っている様子を見て、本来の自分なら嬉しくなるはずだが
いかんせんカカシが笑っているのは自分のことでなのだ。

もー
・・・・でも、ま。いっか。
なんだか、声を出して笑っているはたけさんて初めて見たし。

最初なんて、右目しか見えなくて表情もいまいち読めなかったのだ。
それに比べたら自分が笑われてようと、なんだかすごい進歩のような気がして結局は嬉しくなってしまった。


「ごめん、ごめん。だってサンてば、おもしろいからさー。よく天然って言われるでしょ?」


「言われたことないですー。」
ただすぐに許してしまうのは、なんだか癪な気がしてはちょっとすねてみせた。

「ごめーんね?まぁ、とにかくさ。」

「???」




サンはここに、いてよ。オレのそばに。ね?」



ふふふ、信じてもらえることがこんなに心地いいものだって知らなかったなー。
きっと前の世界の自分なら、こんなとりとめもない事など気にもかけていなかったに違いない。
ほんの小さなことでも、幸せを感じられる自分がなんだか嬉しかった。


カカシがここにいて欲しいというのには、違う意味も少し含まれていたのだが
そんな事は今のには、まったく伝わっていなかった。


ホントはそーいう意味じゃないんだけどなー。
ま、サン鈍そうだし・・・。

それに、違う意味にとれるような言い方でしか言えないよなー。
オレもまだまだって事だね。


「あ、メシ冷めちゃったね。ごめん、いただきまーす。」


「はい、どうぞ。」

それからカカシがご飯を食べている間、2人は少し話をした。

あの日が来たときのこと、それからカカシの食事についてのこと。



「そういうことだったんですね。」


「ごめん、あんまり気分のいい話じゃないよね。」


「いえ、はたけさんってよくわからない人だなーって思ってたのでよかったです。
 でも、私無神経でしたよね。はたけさんが食べる事自体好きじゃないのに、毎回毎回・・・」
迷惑でしたよね、という言葉ははたけさんに無理やり遮られてしまった。


「うまいよ。」


「あーそんな気を使わなくてもいいですよ。」


「んーん、別にオレ無理してるとかじゃなくて。ホントに。サンの作ったご飯、うまいよ。」
それまでの、なんとなくひょうひょうとしたはたけさんとは違って目が真剣だった。


「あの・・・でも、今までご飯食べておいしいってあんまり思ったことないって・・・。」


「うん、今まではね。でも、なんでかなー・・・今こうして食べてるサンの料理はちゃんと味がするんだ。」


「どうしてでしょう?」


「たぶん・・・。」


「多分?なんですか?」

カカシの中で一口食べた時からちゃんと答えはあった。
おそらく、これまでのそばにいて感じた事と同じなのだろう。
といると、確かに自分がどれだけ汚れているか思い知らされる。
食べ物の味がしなくなってからは、一時期血の味がすると思った時もあったくらいだ。

忍である自分を恥じたことも、後悔したことも一度だってない。
むしろ、誇りに感じてさえいる。


だけどは人なんて殺したことなどなくて、無防備で、素直で、毎日が楽しそうで。
そんなだからこそ、そばにいてほっとするというか、温かいというか。

それにイラついていた時もあったが、今はそんな気持ちは感じなかった。

多分、この子といるとキレイになれる気がするんだろーな。
ちょっと大げさかもだけどねー。



「ま、ひーみつv」


「えぇーなんでですか!教えてくださいよー。」


「ダーメv」


「もう!いーですよ。
 あ、そういえばはたけさんってどうして左目は閉じたまんまなんですか?」


「あー。これね。知りたい?」


「知りたいです!今度こそは!!」
さっき教えてもらえなかったことがよっぽど悔しかったらしい。

「くくくっ、これねーびっくりしないでよ?」


「は、はい。」
ごくり、と喉を鳴らして興味津々に待ちかまえている目の前のを見たら,思わずからかいたくなってしまった。


「この左目ね、見た人は・・・」


「石になっちゃうとかですか?!だったらあけないでください!!(汗」


パチッ
カカシは閉じていた左目を開きまっすぐにの瞳を見つめた。


「わぁ〜石になっちゃう!!(涙」
カカシの左目を、目の当たりにしてしまったはおもわずがばっ!と両手で自分の目を隠した。



サーン。」



「あれ?なんともない。」
おそるおそる、は手をどけてカカシの方を見た。


そりゃアンタが勝手に想像したからでしょーが。


はたけさんの左目は、右目とは全然違うキレイな赤色をしていた。
「見ると?どうなるんですか??」


「オレの事スキになっちゃったりしてv」



「へ?」



カカシの言っている意味がいまいち頭に入ってこなかったが、
なんだかニヤニヤしている所を見るとからかわれたのだというのはわかった。


「なっ!はたけさん、からかいましたね〜!!」


「あははは、ごめんごめん。サン真剣だからつい。」


「つい、じゃないです!もーさっきから秘密とかそんなんばっかり。はたけさんて私のことバカにしてるんですか?」


「そんなんじゃなーいよ。ねぇ、そーいえばさ、サンてオレの事名字で呼ぶよね。」


「はい。(なんとなくはぐらかされた気もするけど・・・まぁ、いっか)そうですけど?」


「じゃあさーこれからは下の名前で呼んでよ。はたけさん、なんて言うのサンくらいよ?それに他人行儀だし」


イヤイヤ、私たち立派な他人ですけど。


「・・・」

「イヤ?」

「イヤじゃないですけど・・・」

「あ、オレの下の名前知らない?」

「知ってますけど・・・」

「からかったの、怒ってるとか?」

「怒ってないです。」

「えーじゃあなんでうんって言ってくれないの?」



・・・今さら下の名前で呼ぶなんてなんか照れる。
無理!絶対ムリだよ!!



「オレはちゃんとって下の名前で呼んでるのにー」

「そ、そうですけど・・・それは別に・・・頼んだわけじゃないし・・・」


ふーん、そーいう事言うのね。
「じゃあ、いーよ。オレカカシってちゃんと下の名前で呼んでくれるまで振り向かないし、返事しないから。」



え!!それは・・・ヤダ。
せっかくはたけさんが少しはこっちを向いてくれるようになったのに

ぅ〜恥ずかしいというか、照れるというか・・・
なんで今さらこんな事にこだわるの、この人?



「・・・」


「ん?聞こえなーい。」



「カカシさん!!!」

「さんはよけい。」


「カカシ・・・さん。呼び捨てなんて絶対ムリですよ!!はたけさん(涙」

「コラ、戻ってる。」



「あ、・・・カカシ、さん。」

そんな、恥ずかしそうに上目遣いで見ないでちょーだいよ。
誘ってるみたいって言ったら、からかうなって今度こそ怒るかな。

「ま、ごーかっくってことでよしとしましょ。」

「よかったー」

明らかにほっとした彼女を見ると、またしてもカカシのいたずら心がむくむくと膨らみ始めた。


「ついでにその敬語もやめてくれたら嬉しーんだけど。」


「うぅー」
年上な上にお世話になっている人ににタメ口を聞くのは、の仁義に反する。
がしかし、そんなすがるような目で見られては無下にダメです!とも言いづらい。



「・・・努力します。」


「頑張ってねー♪♪」


くそぅ、居候の身で頭があがらないのをいいことになんかいいようにからかわれてない?
まぁ、でもはたけさん・・・じゃない、カカシさんなんだか楽しそうだしいいや。


「それじゃあ、そろそろ出かけますかー。」

ごちそうさま、ときちんと手を合わせる彼を見て意外とちゃんとしてるんだな、と思ったはすっかり油断していた。






ー早くカカシって呼んでねv」



そう言って、カカシはパチッとに向かってウィンクをした。


///この人、顔がいい分、なんか心臓に悪い。
あまり男なれしていないにしたら、カカシの言動はいちいち反応してしまうものだった。


「ははは、ってば顔まっかー。」


誰のせいですか!誰の!!



あぁ、お母さん。
ますます、私にはこの人がワカリマセン。







はい、なんだかやーっといちゃつきだしましたねーこの2人。
やっとうちのカカシ先生、さんにカカシさんって下の名前で呼んでもらえました。
はたけさんってのも・・・ねぇ?色気ないっすよね(汗

やっぱり仲良しさんなのは書いてて楽しいです。
次は2人で木の葉の里をおでかけでーす。

カカシ先生がちょっとずつさんに手をだし始めちゃったりなんかしちゃったりしてv
さんのことを呼び捨てにもしちゃってますしねー
次回お楽しみにー